2023.09.21

中小企業におけるDX、いろはの「い」

MEDIA

2018年12月、経済産業省から「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」が発表され、2023年現在、個人営業の飲食店でも、タブレット注文やデジタル決済がみられるようになりました。デジタル化を体験する一方で、DXとはなんなのかと問われると、どう答えれば良いでしょうか。

DXとは?

経済産業省が発表している『デジタルガバナンス・コード2.0』と『実践の手引き2.0』からDXに取り組むための第一歩を読み解いていきましょう。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/contents.html

企業は、ビジネスと IT システムを一体的に捉え、デジタル技術による社会及び競争環境の変化が自社にもたらす影響(リスク・機会)を踏まえた、経営ビジョンの策定及び経営ビジョンの実現に向けたビジネスモデルの設計を行い、価値創造ストーリーとして、ステークホルダーに示していくべきである。

~中略

企業価値向上に向けて、ステークホルダーの理解あるいはステークホルダーとの協力・協業を得るための対話を行っていく上で、必要な情報を整理し、発信していくことが求められる

~中略

自社のビジネスモデルにとって重要な要素を「価値創造ストーリー」として示していくことが重要である。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html

上記の引用部分において重要なポイントは

  • 1. 経営ビジョンの策定
  • 2. ビジネスモデルの設計
  • 3. 価値創造ストーリーとして、ステークホルダーに示していく

の3点です。デジタル化とDXの違いについても言及されています。

※ステークホルダー=企業のあらゆる利害関係者

DX(デジタル・トランスフォーメーション)で重要な主体は「X(トランスフォーメーション」の方なのです。

では、D(デジタル)の方はというと課題解決の手段・方法であって目的ではありません。
この勘違いをしたままでいると、よくある失敗事例になってしまいます。
しかし、本来はDXを始めた段階で失敗は存在しません。もし失敗したのなら、それはDXを行っておらず、デジタル化をして失敗したということなのです。
(だって、「変わること」に失敗はありますか?)

ではどのようにDXするか、については『デジタルガバナンス・コード』に示されています。読んでみましょう・・・分かりませんね。取り組み事例もたくさんありますが、そもそも理解しておかなければいけないことがあります。

デジタルの対義語はフィジカル

DXは抽象的で概念的なマインドセット(考え方)だということです。

「デジタル製品」で変革するのではなく「デジタルな思考方法」で変革するという理解が正しいのではないでしょうか?
デジタルな思考や論理については、ソフトウェアの開発や、マネジメントの本にたくさん記載されています。これらはソフトウェアの進化とともに発展してきました。

この先人たちが築き上げた開発スキームは、ビジネス分野に展開できることが分かってきました。デザイン経営やアジャイル型組織、聞いたことがありませんか?
つまりDXとはソフトウェア開発的なアプローチで経営組織を発展させるということなのです。
その上で理解しておいた方がよい理論はいろいろと提唱されています。成功事例も様々に紹介されています。

新しい考え方は次々と提唱されて、実践されて、アップデートされていきます。
(まさにアジャイル的ですね)
その中で自分たちにあった思想・哲学・方法を適用するのがよいし、正解は自分たちで見つけるしかありません。

しかしそれを実行する前にやっておくべきことがあります。
DXのいろはの「い」はそこに到達するための前準備について解説します。

トランスフォーメーション(X)の下地作り

以下、トランスフォーメーション=変革を「X」とします。

まっさらな状態なら、1からモデルを構築することができますが、すでに組み立てられた企業という構造を作り変えるのはなかなか骨が折れることです。

すでに出来上がってお皿に盛られたスパゲッティを、1本1本解きほぐすようなものですね。

やるべきこと1 「資産の見える化」

ここでは企業の持つ、金銭的な価値だけでなく、時間的な価値、技術的な価値、情報的な価値、組織文化的な価値、人材的な価値、などのあらゆる価値を含めて資産として考えます。

分かりやすい製品以外のこと。見えていない部分は実はものすごくたくさんあります。
例えば、自社の製品だけではなく、一般常識、業界常識などで行っていたことに資産が隠れていることも。

そして資産を定量化して測れるようにします。
そのためには属人化の排除が必要です。
これにより資産へのアクセシビリティを均一化し、変化へのアクションを簡易化することができます。

資産が見えると負債が見えるようになります。
負債については、特に見ない振りをして放置することが多いです。

まず向き合って認識したうえで、変化の優先順位を振り分けます。

やるべきこと2 「変化の習慣化」

ものごとを変えるのには労力をつかいます。
慣れ親しんだ物事を変えるのは、ものすごいストレスなのです。

でも、すでにやっていることもあるはずです。
例えば『名刺を年1回作り直す。』『棚卸作業をする。』など。

「やるべきこと1」で見えたことを少しずつでよいので片づけていきましょう。

掃除や、模様替えと同じように「やるべきこと」として捉えられていなかった物事に気が付いたら、対処していくことができます。

やるべきこと3 「当事者意識の共有」

Xは他人事ではありません。自分事だという認識を共有しましょう。

企業構成員は全員が当事者として、変化への対応を意識することが重要です。
「”誰か”がやること」として放置されていること。共有部分について特に多いと思われます。
そんなところに見えない負債が隠れているかもしれません。

勘違いしてはいけないのは、これが属人的であってはならないということです。
特定の個人が努力した結果が共有されなかった場合、それはプラスの資産にならず負債にすらなります。

典型的な例)
前任者が作ったシステムを使っていたが急に動かなくなった。

中小企業では特に多いのではないでしょうか?
同じシステムを見積もりにだしたらいくらになりましたか?

何かを行った場合、それを意識的に共有して、(なんならドキュメント化して)資産としての価値を与えましょう。

そして属人性の排除≠人間性の排除だということは留意しておきたいところです。

下地作りができたなら

下地作りができたなら、やっと「デジタルガバナンス・コードVer2.0」の本質が理解できてくるでしょう。難しい専門用語で書かれていますが、基本的には考え方や、物事に対する向き合い方について、「こうしたらいいよ」というガイドラインなのです。

そうした段階で、「価値創造」するためにやるべきことが見えてくるでしょう。
この景色は企業内の立場、人それぞれで見え方が違うかもしれません。

先に進む場合は、それを行う人の認識を合わせて、ゴールを決める必要があります。

「②ビジネスモデルの設計」が必要ですよね?
そしてその「設計」に必要なのがデジタル人材なのです。
だんだんと、デジタルガバナンス・コードに沿ってきたと思いませんか?

そう、すでにあなたはDXの道を踏み出しています。

DXの最終的な理想は社内システムの内製化

デジタルなツール類を社内リソースで構築して運用することで、より効率的に業務を達成し価値創造を行うことができる

でもその前に上るべき階段を上る必要がある

それは自社の業務内容をデジタル的に捉えて、構造化し、ステークホルダーに共有すること

これが出来ているなら、理想のシステムを具体的に提案して、社外リソースに開発してもらうことも出来るし、自社内で運用することができる

そうしたなら、そこからさらにもう1段階、高い価値の創造を設計できるかもしれない

DX自体が、ものすごく思想的で哲学的なことだということは理解できましたでしょうか?
思想的なのにビジネスの本流の真ん中にあることが、非常に理解を困難にさせる要因かもしれません。

アジャイル開発はよく車輪にたとえられます。
Xも車輪です。車輪は回し続けなくては進みません。(持続可能性)
Xは本体ではなく、企業主体を乗せて走る車輪なのです。

その轍に「価値」の花が芽吹くことをお祈りいたします。

さいごに

DXを総評すると

  • 変革(X)をしないと世界経済においていかれます。
  • 変革するのはマインドです。
  • 変革(X)を行うにあたって、近年急速に発達したデジタル(D)の領域で構築された哲学理論を適用してみよう。

ということではないでしょうか?

皆様のDX理解の一助となれば幸いです。

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