2023.07.28

より良いサーバー利用に向けて:サーバー移転とその注意点

MEDIA

弊社では、ブランディングの一環としてコーポレートサイトや採用サイトをはじめとする「Webサイト」の制作を行っています。制作したWebサイトを公開するにあたり、「Webサーバー」というものが必要となります。

このWebサーバーは一般的にはレンタルサーバー会社と契約して利用していることがほとんどです。
しかし、レンタルサーバーを利用していることで発生する問題もあります。

例えば、提供されているWebサーバーは機能がある程度決まっていて、Webサイトを便利に改修していくにつれて機能が足りなくなることがあります。
他にも、レンタルサーバー側がサービスの提供を終了することもあります。

それでも、Webサイトの公開や改修を続けていくためには、適したレンタルサーバーへの移転を行うことになります。
本項では「レンタルサーバーの移転」についてお話していきます。

サーバー移転とは

簡単に表すと「お引越し」です。
現在利用しているレンタルサーバーの中身を違うレンタルサーバーに持っていきます。
実は、サーバーには様々なものが結びついていて、サーバー移転は一筋縄ではいかないことがあります。
そのため、サーバー移転作業は、ご自身でやるよりも委託する方が多いです。
それでも、契約者本人に確認していただかないといけないこともあるため、委託先に任せきりというのは難しいです。
委託先とのやり取りをスムーズに行うためには、契約者本人もある程度の知識を持っている必要が出てきてしまいます。

知っておきたい用語・仕組み

これさえ分かれば解決! とまではなりませんが、知っておくことでWebサイトの動きも分かりやすくなり、サーバー移転でも気を付ける点が分かるようになります。

IPアドレス

Webサーバー等、サーバーには「IPアドレス」というどこにサーバーがあるかを教えてくれる数字が設定されています。
IPアドレスを指定することでインターネット上にあるWebサーバーの中身(Webサイト等)を閲覧することができます。

(IPアドレスの形式)
168.〇〇.〇〇.〇〇〇

ドメイン

IPアドレスの形は、サーバー等の機械側にとってはわかりやすいですが、人側からするとWebサイトを見に行くたびに覚えるのは大変です。

そこで、IPアドレスを人でもわかりやすい形にするものが考えられました。「ドメイン」と呼ばれるものです。
ドメインとは、IPアドレスと紐づいていて、インターネット上でWebサイトやメールアドレスなどを識別することができる名前です。

例えば、BEEのホームページは「https://bee-design.co.jp」というURLで閲覧することができます。このURLの「bee-design.co.jp」という部分がドメインとなっています。「bee-design.co.jp」と入力することで、「168.〇〇.〇〇.〇〇〇」というIPアドレスに自動的に変換され、Webサーバーに繋がるという仕組みです。

ドメインを利用することによって、人にもわかりやすい形でWebサイトを利用することができるようになりました。

DNS

ドメインはIPアドレスと紐づいていて、自動的に変換されるというのは上記で述べました。
では、ドメインはどのようにIPアドレスに変換されるでしょうか。

まず、ドメインとIPアドレスを紐づけている仕組みを「ドメインネームシステム(Domain Name System)」(以下DNS)といいます。
このDNSの情報を保管し、インターネット上で利用できるようにするため、「DNSサーバー」というものが用意されました。

私たちがMicrosoft EdgeやGoogle Chromeなどのブラウザを使っているときに「このドメインはどこのWebサーバーですか」という問い合わせをブラウザがDNSサーバーに対して行い、IPアドレス教えてもらっているため、ドメインを使ったWebサイトの閲覧ができます。

DNSサーバーは世界各地に存在していて、これがサーバー移転にとって注意する点に繋がっていきます。

SSL証明書

最近、ブラウザのURL入力欄に「保護されていない通信」と出ていることを見かけることはないでしょうか。
これは、「今、閲覧しているWebサイトとやり取りしている情報は保護されていないため危ないですよ」「悪意のある第三者がいたら情報が筒抜けですよ」とブラウザ側が警告している状態です。

より良いサーバー利用に向けて:サーバー移転とその注意点
図. 実際のブラウザでの表示

どのようにブラウザは判断しているでしょうか。
ブラウザに「うちのWebサイトはちゃんと保護してます」と教える仕組みがあります。それが「SSL証明書」です。
SSL証明書とは、「Secure Soket Layer」(以下SSL)と呼ばれる「暗号化」についてWebサーバーで利用していることを証明する「電子証明書」です。
SSL証明書は認証局という専門の機関が発行しているので、安全性を示す基準に使われています。

ちょっとした余談ですが、SSLは2014年頃から専門家によって脆弱性が指摘されており、以降はTransport Layer Securety(以下TLS)という手法が主に用いられています。
使用されている手法がSSLではなくTLSなのにSSL証明書と呼ばれているのは、既にSSL証明書という呼称で広がっていたため、わざわざ改称する必要もないかなとそのまま使われているからです。

サーバー移転をしてみる

ここまで、サーバー移転をするなら知っておきたいと思われる用語や仕組みについて触れてきました。
本項では、実際にサーバー移転をするときの手順や注意点についてお話させていただきます。

サーバー移転の手順

サーバー移転は基本的には以下の流れになります。

1. サーバー移転日程の決定

移転前のサーバーの契約期限などを参考に、移転を完了する目標日を設定し、全体の日程を決定します。

2. 移転先サーバーでの動作確認

現在利用中サーバーの中身を実際に移転するサーバーに移して動作の確認を行います。

3. ドメインの移管

ドメインの移管には、1週間ほど時間がかかる場合があります。そのため、ドメインだけ先に新しく利用するサービスへ移しておくことで、以降の作業をスムーズに行えるようにします。

この作業を行うタイミングで契約者様に移転承認のメールなどが送られます。

また、DNSサーバーはレンタルサーバーのサービスに付随していることが多く、このタイミングでは移転前のサーバーにつながったままでいてほしいので、DNSサーバーの切り替えは行いません。

4. メールアカウントの移管

レンタルサーバーではWebサーバーだけでなく、メールサーバーが利用できることが多いです。

実際にメールサーバーを利用している場合は、新しいサーバーにメールアカウントを登録しておく必要があります。

5. DNSサーバーの切り替え

検証等が完了し、新しいサーバーに切り替えられるようになったタイミングでDNSサーバーを切り替えます。

DNSサーバーの切り替えによって、ドメインと結びついているIPアドレスが切り替わり、Webサイトやメールが新しいサーバーの内容になります。

※例外について

「基本的には」と言っている通り、サーバー移転の手順には例外があります。

例えば、レンタルサーバーと違うサービスでドメインを管理している場合です。

レンタルサーバーのサービスでドメインを管理している場合では、サーバー移転に伴ってサービスを解約することになるので、ドメインの管理も移管することになります。

しかし、ドメインの管理のみを行えるサービスというものがあり、当該サービスを利用している場合は上記手順「3.ドメインの移管」が不要になります。

サーバー移転の注意点

Webサイトについて

移転前のサーバーと移転後のサーバーが同じ環境ということは滅多にありません。そのため、移転後のサーバーでWebサイトが正常に動作するかのテストをする必要があります。

レンタルサーバー会社にもよりますが、契約を申し込むと1週間無料で使えたり、契約月が無料として扱われるケースがあります。

サーバーの設定によっては、Webサイトに大きな改修が必要になることもありますので、少なくとも、移行前サーバーと移行後サーバーが同時に稼働している期間が1カ月程度あることを考えた日程を組むことをお勧めします。

メールについて

メールサーバーを移転する場合には、移転前のサーバーと移転後のサーバーの両方にメールが届いてしまうタイミングが存在します。
これは、DNSサーバー内にあるIPアドレスとドメインの紐づけを更新する際に、すべてのDNSサーバーで一斉に変わるわけでなく、徐々に各地のDNSサーバーの設定が変更されていくことが原因です。

例えば、とある国に設置されているDNSサーバーAではDNSの設定が切り替わっていても、他の国に設置されているDNSサーバーBではDNS設定が切り替わっていないタイミングがあります。
メールを送った際に、とある送信者はDNSサーバーAを参照しましたが、他の送信者がDNSサーバーBを参照することもあり、送信先が分かれてしまうということになります。

送信先が分かれてしまうため、DNSサーバーの設定が切り替わりきるまで1週間程度、移転前のサーバーと移転後のサーバー両方からメールを受け取る設定にしておきましょう。

ドメインについて

ドメインの移管を行う際には、契約状況により、ドメインを管理しているサービス側に移管申請を拒否されることがあります。
これは、利用中のドメインの種類などによりますが

  • 残りの登録期限日が一定日数以上ある場合のみ移管を受け付けている
  • 料金の未払い
  • ドメインに登録されている登録者情報が正しくない

などが挙げられます。
利用中のドメインの移管条件を調べて、事前に拒否されないように準備することも大切です。

SSL証明書について

SSL証明書は基本的にレンタルサーバー会社のサービスとして提供していることがほとんどです。そのため、サーバー移転の際に一時的にSSL証明書が利用できないタイミングが発生します。
この利用できないタイミングでは、Webサイトにアクセスしようとすると、SSLエラーが発生してしまいます。

DNSサーバーの設定が切り替わることで、SSL証明書の発行が行えるため、長期間発生することはなく、長くても1日程度で解消されます。

最後に

サーバー移転を行うには、Webサイトの動作検証やメールアドレスの移管などの準備にかなり時間がかかります。弊社では動作検証も含めた実際の移転作業をサポートしております。ぜひご相談ください。

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